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岩手町が「ホッケーのまち」と呼ばれる由来を取材しました

2020年12月10日

「ホッケーのまち」と呼ばれる岩手町。世界レベルで活躍するホッケー選手を多く輩出し、県内唯一のホッケー場を有する岩手町はどのようにしてホッケーのまちと呼ばれるようになったのか、岩手町ホッケー協会会長の中村司 氏にお話を伺いました。

Q1. 岩手町でホッケーが始まった「きっかけ」はなんですか?

「ホッケーのまち」の誕生は、1970年10月10日に開催された「第25回岩手国体」のフィールドホッケーの会場に選ばれたことがきっかけです。

当時の岩手町長を務めた宮田九八 氏が、引っ込み思案でおとなしすぎる町民から世界に羽ばたける人材を輩出していくため「ホッケーで『人』づくり、『町』づくり」というビジョンを持ち、先導してホッケーでの町づくりを行っていきました。それまで岩手町ではホッケーを見たことも、やったことがある人もほとんどいませんでした。

1966年に岩手町ホッケー協会設立と同時に、行政から模範を示すため「岩手町役場チーム」を発足し、第25回岩手国体の際に開催地としてのデビュー戦で出場全チーム中4位(総合2位)に入賞したことが町民のホッケーに対する熱意を高め、熱が冷めないうちに第1回町民ホッケー大会を開催しました。この頃には「玄関先にはどこの家にもスティックのある町」になっていました。

Q2.「ホッケーのまち」と呼ばれた要因はなんですか?

大きく分けて3つあり、1つ目が役場主導で土台づくりをしたこと、2つ目が地区の風土が「結(ゆい)と講(こう)」であったこと、3つ目が親と教師と地区民が連携して「三位一体」で取り組んだことが、「ホッケーのまち」と呼ばれる要因になっています。

「県のゴールデンプラン」を役場主導で行い、「岩手町方式」と呼ばれる行政・学校体育連盟・岩手町ホッケー協会・岩手町体育協会・地区の5者連携で町ぐるみの仕組みを形成し、公民館の職員が広げ役や指導者として地域に広げていきました。「結と講」という困ったらすぐに近所同士で助け合う風土が岩手町に根付いていたことから、町民の間でホッケーを盛り上げていこうという繋がりができていきました。

また、教師は少年団や部活動を通して子供たちのホッケー活動を促進し、親は育成会をつくり学校を手伝い、地区民は後援会を通じて資金や声援を送りました。それぞれの立場から学校のホッケー教育を盛り上げ「地区一丸力」が高まりました。

Q3. 現在の岩手町のホッケー人口はどのくらいですか?

岩手町のホッケー競技人口は199人(令和2年)で、最盛期の1986年(昭和61年)の452人に比べると半分以下になってしまいました。過疎化や価値観の多様化等が競技人口の減少要因だと思われます。しかしその中でも五輪候補選手の輩出や全国大会の上位進出など実績を出し続けていることが町の強みです。

優勝回数全国随一の強豪校である岩手県立沼宮内高校や、社会人チームなど町民だけのホッケーチームもあります。町民ホッケー大会では未経験者もホッケーに親しんでいます。

Q4. ホッケーの魅力はなんですか?

ホッケーは半身の姿勢で炎天下も大雨の中も走り続ける「3Kスポーツ」(苦しい・厳しい・きつい)であり「フィールドの格闘技」とも呼ばれますが、だからこそやりがいがあり、自信と誇りをもってプレーできる競技です。

「あきらめない・へこたれない・くじけない」ホッケー精神で育ってきた子供たちは、最後まで頑張る力が育っています。大人になった時に様々な場面で大いに役立つでしょう。

岩手町総合運動公園内にある岩手町ホッケー場の高台には、2008年の第29回オリンピック北京大会で岩手町初のオリンピック出場選手となった早野みさき(旧姓:小沢)選手と、2012年第30回オリンピックロンドン大会に出場した田中泉樹選手の偉業をたたえ、「オリンピック・オーク(栄光の樹)」の種子から育った苗木が植樹されています。

岩手町立沼宮内中学校の生徒さんへのインタビュー

2年生 ホッケー部女子新キャプテン 森子 紗希さん

元々姉がホッケーをやっていて、小学校3年生からスポーツ少年団でホッケーをはじめた。
先輩に憧れているので、先輩を追い抜くことができるようになりたいし、新人メンバーのみんなで一つになって試合に勝ちたい。
チームのみんなで沼中のホッケーを強くしていきたいと思う。目標は全日本中学生選手権大会で優勝すること。

3年生 岩﨑 祐也さん

家族全員ホッケーをやっていて自分は幼稚園のころからホッケーをやっていた。小学校3年生からスポーツ少年団で本格的にホッケーをはじめた。
将来の夢はホッケーのオリンピック選手として活躍してホッケーを盛り上げていきたい。周りを見る力と周りを使う力のバランスが取れている田中海渡選手に憧れている。直近の目標はU15ジュニアユース日本代表候補として選ばれること。
ホッケーは苦しい練習が多いけれど、やりがいがあって、チームプレイの良さもあって素晴らしい競技だと思う。

岩手地区中学校体育連盟 理事長 畑山 恒さん

沼宮内中学校の再任用でコーチをしている。
沼宮内高校は先輩に日本代表として活躍している選手もいることから、ジャパンが近い存在であり、その憧れから学生はホッケーに対して一生懸命取り組んでいる。
岩手町でホッケーを学んだ方々には、選手として一線級で活躍したり、戻ってきて指導者になってもらうような流れを作りたい。そのためには町として、しっかりと活動できる環境と下地を作っていかなければならないと考えている。

岩手町のホッケーへの取り組みは2021年3月発行予定の「ぱるスポ6巻」にてマンガで紹介予定です。

※今回取材させていただいた岩﨑祐也さんはU15ジュニアユース日本代表候補選手(オールスター戦出場選手)30人に選出されました。(公益財団法人日本ホッケー協会HPより)

関連情報

【岩手町】県内唯一のホッケー場です

お問い合わせ

岩手町ホッケーについて

岩手町教育委員会事務局社会教育課
TEL:0195-62-2111(内線343)
E-Mail:shakyo-1@town.iwate.iwate.jp

本記事について

盛岡市スポーツツーリズム推進室
TEL 019-603-8009 FAX 019-603-8015
E-mail: sports-t@city.morioka.iwate.jp

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